2020
03.13

新型コロナウィルス、厚生労働省からの情報発信姿勢に疑問

新型コロナウィルスと言うこれまで経験していない事態が生じて、鈴木の率いるPMPが親しくお付き合いしているクライアント各企業も大変苦労されています。PMPのコンサルタントもそれを支援するために毎日頑張っています。
PMPでも新型コロナウイルスに関する情報をPMP News Letterとして、頻度を大幅に引き上げて発信しています。
PMP HP http://www.pmp.co.jp/labor_administration_trends/2649 を参照してください。

厚労省は新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)と題するHPをアップしています。(厚労省のこの情報は以下をご参照ください
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00007.html
このQ&Aは冒頭に日付が記載されているため、最新情報が一目瞭然でとても便利です。
しかし、前の情報を保存しておかないと、最新情報は一体どこを変更したのかがわかりません。
変更箇所がすぐには判明しないつくりになっていますので、2世代の情報を比較して変更箇所を発見しても、なぜ変更したのかという理由については、こちらがあれこれ想像するだけで、はっきりとはわかりません。

企業向けQ&Aの「6 安全衛生」の問2(この問も、3月11日当日に確認したときには「5その他」問5でしたが、現在はカテゴリーを変えてきています)に会社が社員に対して行う健康診断の実施時期の延長についての説明があります。4月に入社する新卒新人の健康診断を意識しての応答だと思いますので、3月上旬にそこまで配慮している点は有難いことだと(勝手に)思っています。
最新(3月11日付)のQ&Aでは、「実施時期を令和2年5月末までの間、延期することとして差し支えありません。」との記載です。とこからが一世代前、3月10日付では「当面の間、延期することして差し支えありません」とありました。
3月10日から3月11日にかけて“当面の間”が“5月末”に書き換わりました。疑問になってくるのが、なぜ5月末日と時期を明示できるようになったのか? と言う点です。新型コロナウイルスが落ち着く時期を5月末日と予想しているのか?そうであれば企業もそれを前提に色々と準備したほうが良さそうです。それとも当面の間と言う曖昧な時期設定では現場が混乱するので不味いという省内の指摘を受けて、根拠はないがとりあえず5月末としたのでしょか? 背景はまったくわかりません。
ただ、新型コロナウ イ ルスの所管である厚労省が出している情報ですので、こんな疑問が沸き起こっています。
なお、同様の5月末の回答は続く、Q&A「6安全衛生」の問3 安全衛生委員会の開催時期の延期も同様の回答です。

今回のような経験していない事態が起きたときに、政府からの情報発信は拠り所となります。厚労省には、是非とも今まで以上にきめ細かい適切な(疑心暗鬼を招きかねないような事を回避する)情報発信をお願いしたいものです。
そう言えば、就業規則の改定手続きとして労働基準監督署(厚労省傘下)に届け出る際には、窓口で改定前と改定後の新旧対比表の作成を厳しく指導されます。
厚労省の情報発信も、黙って書き換えるのではなく、新旧対比表程度は明示してほしいものだと思います。

公文書させ書き換えられるのが当たり前になってきている情勢では、こんなことを言っても仕方がないかもしれませんね。

以 上

注:筆者の拠点PMPでも新型コロナウイルスに関し、かなりの頻度でニュースレターを発信しています(https://www.pmp.co.jp/pmpnews/)。

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鈴木雅一(すずきまさかず)

代表取締役・特定社会保険労務士ピー・エム・ピー株式会社
慶應大学経済学部を卒業(専攻は経済政策、恩師はカトカンで有名な加藤寛教授)。三菱銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入社し、人事企画部門他を経験。その後、米国ケミカル銀行(現JPモルガン・チェース銀行)の日本支店の副社長として銀行と証券人事部門を統括。米国マイクロソフト社の日本法人であるマイクロソフト株式会社の人事部門と総務部門の統括責任者を経て、PMPを創業。外国企業と日本企業双方に、グローバルな視点から人事労務のコンサルティング活動を行っている。